人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ゆるすことが大切です。

インディアナ州で学生だったとき、一人の女性に出会いました。Eva Mozes Korというユダヤ人です。彼女は小さな資料館C.A.N.D.L.E.S(Children of Auschwitz Nazi Deadly Lab Experiments Survivors)を開いていました。これは、彼女の体験を記す資料館(教育センター)です。

Evaは9歳の双子でした。ナチス支配下の戦争時、彼女たち、ユダヤ人の双子は強制的にアウシュビッツの収容所に監禁され、身体実験を日々されていました。たとえば、全身ペンキを塗りどれくらい生きていられるか?全身の血を抜き取ったらどうなっていくのか?双子であれば、身体的にほぼ同じであるから比較するにはちょうどよいと、殺されず(彼女たちの親姉たちは全員殺されています)、実験物として扱われていたのです。収容所では、番号で呼ばれます。彼女の腕にはそのとき焼き押された番号が残っていました。

Evaさんは、自らの悲惨な体験を通し、どんなにひどいことされても、許すことが大切。許さなければ幸せにはならないと力説していました。同じような体験をもった人たちには、なんで許さなければないないのかと、批判もされたようだけど、彼女は心が強いしやさしい人。どんどん許す輪が広がっていると思います。

そして、私に「あなたは、幼児教育の勉強をしているの?これは私の書いた子供向けの本。あげるね。これからも頑張りなさい」と1冊の本をくれました。あの時のEvaさんとの出会いは、胸がふるえる思いでした。(なんでそんなにやさしいんですか?)今もって涙がでます。

今日、戦没者追悼式、戦争展に参加し、Evaさんのことが頭に浮かんできました。

彼女の本”Little Eva &Miriam in First Grade” は翻訳して、日本に紹介しようと思っています。アメリカで夫、子どもがいて、力強い、やさしいおばあ様になっています。2006年に会いたくて訪れたけど、連絡がつきませんでした。今も健在なはず。
by izumi-yworld | 2008-08-15 22:08 | 美しいひと
<< 鉄道 戦争のない世界へ >>