「タンタン」シリーズができるまでの、物語を知って、感動した。
1920年代末期、ヨーロッパは戦争など、社会情勢が不安定の時期、ベルギーの新聞社「20世紀」でこども向け「プチ20世紀」の編集をまかされていたワレ神父が、ベルギーが困難な時代を乗り越えるには、こどもの教育が大切だと、若い読者を増やすために、当時新米だった20歳のエルジュの才能を見出し作品が誕生したのだそうです。
エルジュはワレ神父をそうとう尊敬していたようです。またエルジュは混沌とした社会情勢の中で個々が個性を発揮し、調和していく世界(うーん、私が望むところだよ、タンタン!)を夢み、タンタンというヒーローを創造していったようです。
物語の内容は漫才のぼけ(タンタン)と突っ込み(スノーウイ)コンビをみているように楽しく読めます。
それともうひとつびっくりしたことが。
私が手にとった「タンタン ソビエトへ」は幻の第一作だったのです。いろいろな事情でこの一作は長い間絶版状態が続いていたのでした。70年以上たって、この日本語版も出版されたそうです。
良い人との出会い、そしてお互いの尊敬と信頼が育まれていくと、すばらしいことが形になっていくのですね。ワレ神父とエルジュの出会いのように。タンタン!